ソクラテスの弁明|クリトン

ソクラテスの弁明

はじめに

知識の旅路:YouTubeから始まる書評エクスペリエンス

鈴木和馬です。私の新たな旅についてお伝えしたいと思います。それは、書評の世界への飛躍です!

以前、私は本を読むことに苦戦していました。どうしても途中で挫折してしまい、知識がどんどん風に吹き飛んでいく感じ…そんな経験をしてきました。そんな私でもキャッチアップできる方法を求めて、YouTubeに手を伸ばしました。でも、YouTube自体もあまり観ることがなくて、どのチャンネルが面白いのか分からず、なかなかテレビから離れることができませんでした。

ところが、昨年末、運命の本『東大独学』に出会ったんです。その中で、「本要約チャンネル」なるものが紹介されていました。さっそく覗いてみると、難解な本の中身がシンプルにまとめられていて、私でも理解できる!そこから、次々と本要約チャンネルの世界へと足を踏み入れました。YouTuberたちのおかげで、新しい知識が次々と私の中に蓄えられていく感じ、最高です!

ところで、そんなYouTubeでの本の要約を、さらに書評するってどういうことなのでしょう?これは、私の知識の向上を目指す一環なんです。そう、学んだことをアウトプットすることが、記憶の定着には大切なんですって!だからこそ、自分の理解を深めるために、本要約を書評としてまとめてみることにしました。ちょっと変な試みですが、新たな気付きや視点を見つける楽しみを求めて、これからもチャレンジしていきます。

これからも、私の知識の旅路を一緒に楽しんでいただけたら嬉しいです!

1.どんな本か?

ソクラテスの弁明

出版社:岩波文庫
著者:プラトン 翻訳:久保勉
発売日:1964年1月1日
要約してくれたYoutuber:アバタロー

古代西洋哲学のスターたち、ソクラテス、プラトン、アリストテレス。西洋哲学の世界で超有名なこの3人、誰でも一度は耳にしたことがあるはずですよね。私も西洋哲学のド素人だけど、このトリオの名前はバッチリ覚えてます!

まずはソクラテス。ソクラテスって言えば、ギリシャの哲学者の中でも超個性派!死刑宣告を受けたことがあります。ちょっと衝撃的だけど、それが彼の哲学的な旅の一部なんだとか。この本は、ソクラテスの弁明を記録したものです。彼が法廷でどんな言葉を繰り広げたのか、その一部始終が知られています。

そんなソクラテスの弟子が、プラトン!プラトンは、ソクラテスの考え方を受け継ぎながらも、自分なりの哲学を築いていったんです。彼の名前は古代哲学の中でも輝かしい存在。プラトンの思想は、アカデメイアと呼ばれる学園で広まり、後の哲学者たちに大きな影響を与えました。

そして、プラトンの弟子と言えば、アリストテレス!この名前も聞いたことがある人も多いはず。アリストテレスは、プラトンの思想を学びながら、自分の哲学を形成しました。彼の思想は、自然科学から政治学まで、多岐にわたります。

つまり、ソクラテスからプラトン、そしてアリストテレスへと受け継がれていく哲学のバトン。まるでタイムトラベルのような感覚ですよね!私もまだまだ勉強中ですが、これからも偉大な哲学者たちの足跡を辿りながら、知識の世界を広げていきたいと思っています。

2.この本(動画)を選んだ理由

正直なところ、難しい内容の哲学書を読む気にはなれなかったんです。もちろん、ソクラテスの考え方に興味があったけど、本を開いても、文字がバラバラに踊っているような気がして、正直言って挫折しそうだなって決めつけていました。実際にそうなったと思います。

しかし、アバタローさんの要約動画なら、ソクラテスの弁明もある程度理解できるんじゃないかな?って。アバタローさんって、難しいテーマもわかりやすく解説してくれるし、私の頭の中にも哲学の光が灯るかもしれないって思ったんです。

アバタローさんの要約動画のおかげで、ソクラテスの考えに少しだけ近づけた気がします。

まさに、哲学の扉が開いた瞬間でした!これからも、アバタローさんの動画を活用しながら、知識の世界を広げていくつもりです。哲学って、意外と楽しいんですよね。みんなもぜひチェックしてみてください!

3.登場人物

ソクラテス   紀元前400年頃。ギリシャの哲学者
プラトン    ソクラテスの弟子。この本の著者
アリストテレス プラトンの弟子
カイレフォン  ソクラテスの弟子の一人
メレトス    告発人、ソフィスト
アニュトス   告発人、ソフィスト
リュコン    告発人、ソフィスト
クリトン    ソクラテスの幼馴染み
パイドン    ソクラテスの弟子の一人

4.あらすじ

① 古代ギリシャのスター対決!ソクラテスVSソフィスト

ソクラテス、ソフィスト、アポロ神殿…なんか聞いたことありますよね?

古代ギリシャのアテネ。政治家たちは「言葉の力」で世間を揺さぶってました。言葉で支配する政治的リーダーを「デマゴーグ」なんて言います。民間にも「言葉の力」を持ちたいという若者が増え「ソフィスト」と呼ばれるようになり、彼らは知識や知恵を振りかざして、自然科学から政治のことまで大きな顔で街を歩いていました。

そんな中、ある日ソクラテスが登場!ソフィストたちに話しかけるんだけど、最初は見下されてしまいます。しかし、その後、ソクラテスがソフィストたちをひとたまりもない状態にしてしまいます!周りの人たちもビックリ仰天で、「この老人、一体誰なんだ?」って感なりました。

ソクラテスがソフィストたちをことごとく論破した理由、それには古代ギリシャの神託が関係しています。デルフォイのアポロ神殿って場所で、神様からの神託があったんですけど、それが絡んでいます。

ソクラテスは、弟子のカイレフォンが「ソクラテスよりも賢い者はいない」という神託を聞いてソクラテスに伝えますが、自分が賢くなんてないって言い張るんだけど、神託が間違ってるわけがないって思って、ソフィストたちと対話して「謎」を解こうとします。

その議論をする際にソクラテスが使った方法が「問答法」という手法で、特に質問することによって、相手の矛盾、無知、物事の本質に気付かせていました。これを続けるとどんなに賢いソフィストも行き詰まり、思考停止をしてしまい、最終的にソクラテスによって「自らの無知」を気付かされることになります。そして、ソクラテス自身も「彼らは無知であったが、自分もまた無知である」と気付き、自身とソフィストの違いを「己の無知を自覚しているかどうか」。つまり、無知の自覚こそが「真の賢さ」であり、「デルフォイの神託の意味はそういうことだったのか」に繋がります。

② 神々、哲学、そして死刑?!ソクラテスの運命

ソクラテス、ソフィストをズタズタにやり込んでしまったけど、その結果、ソフィストたちの怒りを買っちゃっいました。でもここでポイント!ソクラテスはご神託をきっかけにソフィストたちとの対話を始めたから、後戻りはできません。神様の命令と思っているから、やめるわけにはいかなくなりました。

ギリシャは、神様がたくさんいる「多神教」の国だけど、ソクラテスは「一神教論者」でした。それが凄く斬新で、ちょっと当時の人には理解されにくかったんだそうです。まさかのミスマッチ!でも、ソクラテスは信念を貫きます。この考え方が原因で、大ピンチ!なんと告発されてしまいます。

罪状は、まず一つ目、国家公認の神々じゃなくて「独自の神」を信仰してるという罪。もう一つは、青年たちをダメにしてるという罪。でもこれって表面的な理由で、実はもうひとつ裏があります。

アテナイがスパルタに負けた「ペロポネソス戦争」。その戦いを指導したのが、ソクラテスの教え子たち!でも戦争に負けた後、彼らが行ったのが恐怖政治。そのことが「許せない!」ってことで、ソクラテスに責任を押し付ける流れになったみたいです。

物事は単純じゃない!色々な問題が絡み合って、ソクラテスは死刑を待つことになってしまいました。

告発人は、メレトス、アニュトス、リュコンの3人。法廷には裁判長1名と500名の裁判員がスタンバイ。ソクラテスの罪状は「ソクラテスは、国家が認める神を信じず、新たな神を教えるといった不正をなし、それにより若者を腐敗、堕落させた。告発人が求める刑は『死刑』である。」

メレトスは詩人でありソフィストの一人。ソクラテスに論破され恥を欠かされソクラテスに恨んできました。ソクラテスを死刑にするため、懸命に求刑弁論をします。次にメントスを支持する応援演説をアニュトス、弁論家のリュコンが行います。流石、一流のソフィストたちです。会場は「ソクラテスは死刑で決定だ」という空気で包まれます。

③ ソクラテスの弁明:知恵の哲学 vs. 嘘まみれの告発

ソクラテスの法廷での熱い弁明です。ソクラテスの哲学の力と、嘘まみれの告発がぶつかり合う様子を一緒に覗いてみましょう!

舞台はアテナイの法廷。ソクラテスが、メレトスという男から無実の罪で告発されています。しかし、ソクラテスの弁明はまさに洗礼された知恵の連続。まずは「噂」の力について言及し、どんなに嘘が広まっても、真実が勝つことを訴えます。その辺り、まるで現代のソーシャルメディアの流言飛語と戦うヒーローみたいですね!

でもここで見逃せないのは、ソクラテスの死に対する考え方。死を恐れず、それは賢者ではないと語ります。死に関しての独自のスタンスが、彼の哲学とリンクしていて、なんだか勇気をもらえる気がします。

次に、ソクラテスが自分が無罪である理由を述べる場面。彼の言葉はしっかりとした論理のもとに続き、メレトスの矛盾を指摘する一幕があります。まるで、マジックで糸を紐解いていく魔法使いのようです!

そして、ライバル意識丸出しの一騎打ち。ソクラテスはメレトスに質問をぶつけ、その矛盾を暴いていきます。メレトスの言葉が崩壊していく様子は、まるで推理小説のクライマックス。一体どちらが勝つのか?

ソクラテスの哲学によって、言葉の力で人々を覚醒させる姿勢が際立ちます。自己の信念を曲げない、その強さと哲学への熱意が、ソクラテスの弁明の魅力を一層引き立てています。

そんな駆け引きの末、ソクラテスの弁明は終わります。彼の哲学と知恵、そして死を前にしても動じない強さに、感銘を受けます。

④ ソクラテス、知恵と勇気の融合

裁判長1人と500人の裁判員が集まり、札が入ります。[無罪、221票][有罪、280票]。意外にも差がありません。ソクラテスが有罪を認め、反省の弁を述べれば、刑が軽くなる仕組みになっています。しかし、ソクラテスの言葉は流麗で、再び弁明します。虚飾に満ちたメレトスの告発を再び一蹴し、メレトスがアニュトス、リュコンの2人に力を借りながら大差を付けることができなかったことを攻め立てます。そして再び判決が読み上げられます。[有罪、361票][無罪、140票]。死刑判決です。ソクラテスの弁明の魔法も限界か?。最後の弁明の時間です。

「私の死刑が決まった! と言っても、老体に死は迫る。なぜなら、私は邪悪な心を持たず、嘘をつくことができない。命懸けで真実を守った。死ぬことを怖れず、邪悪から解放された私が言う。死刑には何も怖くない。どれだけ危険な状況でも、私は自分を偽ることはできない。生き残る方法はいくらでもあるが、邪悪から逃れるのは難しい。死が近づくと、人の本性が出る。私の言葉が信じられるかどうか、皆さんに問いかける。私の死後、若者たちが私の志を引き継ぐだろう。彼らの言葉は私以上に衝撃的で、皆さんを悩ますことになるだろう。有罪判決を下した皆さんこそが真の裁判員だ。私にとってこの判決は幸運だ。死は旅立ち。友たちと語り合う。死を恐れず、希望を持ってほしい。最後に、家族に感謝。息子たちが美徳を大切にすることを祈っている。終わりにしよう。私は死ぬが、皆さんは生きる。どちらが幸せか、神は知っている。」 彼の哲学は、死すら超越します。思想の英雄、ソクラテス。その言葉が後世に響き渡ります。

⑤ クリトン

獄中のソクラテスを救うべく、幼馴染みの英雄クリトンが舞台に登場します! 彼はソクラテスと同い年で、昔からの親友です。

クリトンが息を切らすようにやって来て、「ソクラテス、お前を見捨てるわけにはいかん! 金があれば、ここから大脱走だ!」と言います。しかし、ソクラテスの反応はひと味違います。クールで哲学的な言葉が飛び出します。

「クリトン、お前の気持ちはありがたい。感謝する。だが、他人の評価や社会の目を気にして何もかも捨てて逃げることは、正しい選択とは言えない。大切なのは、ただ生きることではなく、善く生きることだ。善き生き方こそが、美しき生き方。では、アテナイの法に背き、無許可で逃げることが、本当に正しいことか。もし私がここで死ぬ運命にあるなら、その死は冤罪の犠牲者としてのものだ。しかし、法を破って逃げれば、ただの逃亡者となり、冤罪に対する不正な応えとなる。私を説得しようとしても無駄だ。」 クリトンの奮闘も虚しく、哲学の巨星によって論破されてしまいます。

⑥ パイドン

パイドンはソクラテスの弟子たちとともに、師の最期を見守っていました。弟子たちの胸には、ソクラテスの死という痛みと悲しみが広がっていた。しかし、その一方でソクラテスは、死を積極的に迎える心の準備を整えていました。

普通ならば理解しがたいことかもしれませんが、ソクラテスにとって死とは、単なる終焉ではなく、魂が物質的な束縛から解き放たれる次元への旅なのです。ソクラテスは魂が死ぬことはなく、魂が永遠に続くものであると信じていました。その信念が彼の心に勇気と平和をもたらしていました。

最期の日、ソクラテスは親友であり幼馴染のクリトンに対し、毒薬を持ってくるように頼みまし。夕陽がまだ沈まないうちにその頼みを受けたクリトンは、急ぐことなどないだろうと忠告します、ソクラテスはその言葉に耳を貸しませんでした。「持ってきてくれ」というソクラテスの声は確かに穏やかだったが、その中には固い決意が感じられました。

そして訪れた死刑執行人と共に、毒薬が詰まった杯がソクラテスの前に置かれます。しかし、ソクラテスの顔には穏やかな微笑が浮かんでいた。神々に祈りをささげ、最後の瞬間を迎えるソクラテス。杯を手にして、彼は毒薬を飲み干しました。その行為は平静そのものであり、死を受け入れる覚悟と鎮静がそこにありました。

ソクラテスの死は、彼の哲学の道程における最終章であり、生と死の境界を越えて示された勇気の表れでした。それは、彼の弟子たちの心に永遠に刻まれるであろう偉大なる瞬間だったのです。

⑦ ソクラテスの死

ソクラテスの最期を描いた「ソクラテスの死」。絵画に描かれるその姿、まるで天に舞い上がろうとするソクラテス。右には涙にくれる弟子たち、左にはプラトンの心情、その真ん中には力強く毒杯を掲げるソクラテス。華々しい最期だけれど、果たして彼は何を後世に残したのでしょうか。文字ひとつもない彼の生き様、その真意を探ってみましょう。

「わが生涯にいっぺんの悔いなし!」その決意は見事なものです。しかし、ソクラテスの教えは文字には現れず、プラトンやアリストテレスのような著作として残されたわけではありません。

けれども、「無知の自覚」こそが、後の世に大きな波紋を呼び起こしました。知識に満ちた偉大な哲学者たちが、ソクラテスのスタンスから学び、疑問を抱き、問いを投げかける姿勢を大切にしました。その結果、宗教や迷信に縛られずに「近代科学」が生まれたのです。

ソクラテスの影響は、文字だけでなく、彼の生き方そのものが示すものもあったのです。恐れずに未知の世界に飛び込み、自分の信念を貫き通す強さ。生と死の狭間でさえ、彼は自分の天命を信じました。その勇気は、彼の人生を輝かせる鍵となったのです。

つまり、ソクラテスの教えは言葉だけではなく、彼自身の生き様に宿っていたのです。死を迎えるときも、恐れることなく、問い続けることの大切さを示しました。その勇気と謙虚さが、後世の哲学者や科学者たちに受け継がれ、進化を遂げてきたのです。

「ソクラテスの最期」の絵画から、私たちは教えではなく、問いの力強さを見つめることができます。彼の死が後世に与えた影響は、文字に現れないだけに、尚更大きなものがあったと言えるでしょう。ソクラテスの生き方から学ぶ、知識の追求と自己の確立。それこそが、彼の真の遺産なのかもしれません。

5.感想

弁論の舞台に立つと、まるで魔法がかかったような力強さを感じる人々。その中でも、上岡龍太郎さんの名前が真っ先に頭に浮かびます。大好きなタレントさんです。ソクラテスと比べることはできませんが、ソクラテスの凄さを、ほんの少しでもわかるためには、見たことも会うこともできない人よりも、会ったことはありませんが、少しでも見たことがある人を参考にに考えてみましょう。

弁論の天才たちは頭の回転が速く、生まれ持った才能もあることでしょう。でも、言葉の力には知識が欠かせません。いくら頭が良くても、中身のない言葉では人を納得させることは難しいですよね。きっと、凄く勉強しているはずです。

でも、大事なのはその知識をどう使うか。ソクラテスは、知識の塊ではなく、自分の無知を大切にしたんです。「無知の自覚」。これがソクラテスが残した哲学と説明があります。

でも、これはただの「謙虚」から来る言葉ではないはずです。普通の人が説明するのは難しいけれど、ソクラテスだからこそ後世に伝わったのでしょう。ソクラテスの言葉には力があった。凡人が表現できない、深い意味が込められていたんです。

「無知の自覚」。その真髄は本当に理解することはできないかもしれません。でも、新しい座右の銘とし心に刻みたいと思います。言葉の魔術師たちの力強さと、ソクラテスの哲学の一片を感じながら、自分の人生を歩んでみると、また新しい発見に繋がるかもしれません。

6.最後に

アバタローさんのおかげで、難解な「ソクラテスの弁明|クリトン」がぐっと身近なものになりました。こんな難しい哲学の話も、アバタローさんの要約ならスッと理解できたつもりになります。皆さんも是非、一度、ご覧になってください。

そして、実際の本も手に取ってみてください。その先に広がる世界は、きっと驚きと気づきで満ちているのではないでしょうか。

私も本はまだ読んでいません。ソクラテスの知恵と葛藤に触れながら、どれだけ理解できるか、挑戦してみたいと思っています。